秋に抜け毛が増えるのはなぜ?女性・男性の原因と対策、AGAとの違いを美容師が解説
Share
秋になると、シャンプーのときに抜ける髪が増えたり、排水口にたまる髪の量が気になったりすること、ありませんか?
「季節のせいだから大丈夫」と聞く一方で、「このまま薄毛になったらどうしよう」と不安になる方もいると思います。
結論からお伝えすると、秋には抜け毛が増える季節的な傾向が報告されていますが、すべての抜け毛を季節のせいにしてよいわけではありません。
特に、女性は分け目や頭頂部、男性は生え際や頭頂部の変化にも目を向けたいところです。
今回は美容師のボクの視点も交えながら、秋の抜け毛が増える理由、女性と男性で注意したい違い、毎日の対策、皮膚科へ相談する目安を整理していきます。
最初に知っておきたい3つのこと
- 秋の抜け毛には季節変動が関係する可能性がある
- 本数だけでなく、抜け方や髪の密度の変化を見る
- 急激な脱毛や頭皮の異常があれば、季節を問わず皮膚科へ相談する
秋になると抜け毛が増えるのはなぜ?
そもそも髪は、ずっと伸び続けているわけではありません。
一本一本がそれぞれの周期で生え替わっているので、健康な頭皮でも毎日ある程度の髪は抜けています。
毛周期と季節変動の関係
髪には大きく分けて、成長期、退行期、休止期というサイクルがあります。
髪が生え替わる基本的な流れ
※毛周期の簡略図。実際には一本ずつ異なるタイミングで進みます。
季節によって、成長期や休止期にある毛髪の割合が変化することを示した研究があります。
つまり、秋に抜け毛が増えたと感じることには、毛周期の季節変動が関係している可能性があるんです。
ただし、研究で季節変動が報告されていることと、目の前の抜け毛が正常だと判断できることは別の話です。
夏の紫外線・頭皮環境との関係
秋の抜け毛について、「夏に紫外線を浴びたから抜ける」と説明されることがあります。
確かに、夏は紫外線や汗、皮脂、蒸れなどによって頭皮の不快感が出やすい季節ですが、夏の紫外線が秋の抜け毛の直接原因だと、すべての人に当てはめることはできません。
例えば、夏から頭皮の赤みやかゆみが続いているなら、単なる季節の抜け毛とは分けて考える必要があります。
ボクがここで伝えたいのは、秋だからと決めつけず、頭皮にどんな変化が起きているかも一緒に確認してほしいということです。
秋の抜け毛はいつまで続く?
「10月になれば落ち着く?」「11月まで続いても大丈夫?」と気になりますよね。
季節的な抜け毛が何月何日に終わるという、全員共通の期限はありません。
一方、体調不良や強いストレスなどをきっかけとする休止期脱毛では、きっかけから数か月後に抜け毛が増え、落ち着くまで数か月かかることもあります。
抜け毛が減ってきているか、髪全体のボリュームが変化していないかを見ながら、長引く場合や悪化する場合は秋が終わるのを待たずに相談するのがよいと思います。
女性の秋の抜け毛|40代・50代の注意点
女性の場合、秋の季節変動に加えて、年齢や体調による変化が重なることがあります。
特に40代・50代は、以前と同じヘアケアを続けていても、髪のボリュームや分け目の見え方が変わってくることがあります。
女性ホルモンの変化と抜け毛
女性の髪の変化には、ホルモン、遺伝、加齢、栄養状態、体調など、複数の要因が関係します。
更年期前後にはホルモン環境が変化しますが、抜け毛が増えた理由を女性ホルモンだけで説明することはできません。
秋に抜け毛が目立ち始めたとしても、実際には季節と関係なく進行していた薄毛に気づいた可能性もあるんです。
分け目・頭頂部の変化を確認する
女性で気をつけたいのは、抜けた髪の本数だけではありません。
例えば、以前より分け目が広く見える、頭頂部の地肌が透けて見える、髪全体の密度が減ったように感じるといった変化です。
こうした状態が続く場合は、女性型脱毛症などの可能性も含めて、皮膚科で相談する価値があります。
髪型や照明によって見え方も変わるので、気になる方は同じ場所、同じ明るさ、同じ分け目で写真を残しておくと比較しやすくなります。
栄養・体調・ストレスとの関係
急な体重減少、極端な食事制限、発熱を伴う病気、強いストレスなどが、数か月後の抜け毛につながる場合があります。
鉄不足や甲状腺の異常など、医療的な確認が必要な原因が隠れていることもあります。
だからといって、抜け毛が気になるだけで鉄剤やサプリメントを自己判断で増やすのはおすすめしません。
食事や生活の変化を振り返りながら、気になる症状があれば医師に相談してみてください。
男性の秋の抜け毛|AGAとの違い
男性の場合も、秋に抜け毛が増えたからといって、それだけでAGA(男性型脱毛症)とは判断できません。
ただし、AGAが進行している時期と季節的な抜け毛が重なる可能性はあります。
生え際・頭頂部の変化に注目
男性型脱毛症では、生え際が徐々に後退したり、頭頂部の毛髪が細くなって密度が低下したりすることがあります。
ここで見てほしいのは、排水口の抜け毛だけではなく、数か月前や去年と比べて髪の生え方が変わっていないかという点です。
秋だけ急に気になったのか、それ以前から少しずつ変化していたのか。この違いは判断するうえで参考になります。
季節的な抜け毛とAGAの違い
| 確認項目 | 季節的な変化の可能性 | AGAで見られる変化 |
|---|---|---|
| 変化の期間 | 一定期間に抜け毛が目立つ | 徐々に進行することが多い |
| 気になる場所 | 抜け毛の増加として気づく | 生え際・頭頂部の密度低下 |
| 髪の太さ | 一定の特徴だけでは判断できない | 細い毛が増えることがある |
| 必要な対応 | 経過と頭皮状態を確認 | 早めの皮膚科相談を検討 |
※特徴を整理した表であり、自己診断に使用するものではありません。両方が同時に起こる場合もあります。
実は、季節的な抜け毛とAGAは、どちらか一方しか起こらないというものではありません。
「秋だからそのうち戻るはず」と考えている間に、別の原因による薄毛が進行する可能性もあるので、変化が続くなら確認しておきたいですね。
AGAが気になるなら医療機関へ
AGAは、シャンプーを変えるだけで治療できるものではありません。
男性型脱毛症が疑われる場合は、皮膚科などで診断を受け、必要に応じて治療の選択肢を相談することになります。
美容室でできることと、医療機関で確認すべきことは分けて考える。これはボクが大切にしたい線引きです。
秋の抜け毛で見直したい生活習慣
ここまで読むと、「じゃあ何をしたらいいの?」と思いますよね。
まずは抜け毛を止めるために商品を増やすのではなく、日常の中で無理なく見直せるところから始めてみてください。
1. 頭皮を必要以上にこすらない
抜け毛が気になると、しっかり洗ったほうがよいと思って、頭皮を強くこすってしまうことがあります。
でも、強い摩擦は頭皮への刺激になり得るので、指の腹で無理なく洗い、すすぎ残しを防ぐことを意識してみてください。
洗うときに自然に抜ける休止期の髪もあるため、シャンプー中に髪が抜けたことだけで、洗い方が悪いとは判断できません。
2. 睡眠・食事・体調を振り返る
十分な食事や休息は、健康を維持するための基本です。
特に、急なダイエットや体調不良があった方は、抜け毛が増え始めた時期だけでなく、その2〜3か月ほど前の生活も振り返ってみると参考になります。
ただし、睡眠時間を増やしたり、特定の食品を食べたりすれば、必ず抜け毛が止まるというものではありません。
3. シャンプーは頭皮との相性で選ぶ
シャンプー選びで確認したいのは、洗った後に頭皮がつっぱらないか、かゆみや赤みが出ていないか、普段の洗浄感が自分に合っているかという点です。
今のシャンプーで頭皮の調子がよいなら、秋になったという理由だけで買い替える必要はありません。
反対に、頭皮のベタつきや洗浄後の不快感が気になるなら、洗い方や使用製品を見直す余地があります。
頭皮ケア用シャンプーを検討している方へ
SONGBIRD online storeでは、頭皮ケアを意識した商品も取り扱っています。まずは自分の頭皮の悩みに合うか、商品説明を確認してみてください。
※シャンプーによるAGAの治療や季節性脱毛の改善を保証するものではありません。
4. 髪を引っ張る習慣や熱の負担を減らす
きつく結ぶ髪型を長期間続けたり、濡れた髪を強く引っ張ってとかしたりすると、毛髪や毛根に負担がかかる場合があります。
また、アイロンやドライヤーの過度な熱は毛幹のダメージにつながるため、髪が途中で切れる「切れ毛」にも注意したいところです。
根元から抜けているのか、途中で切れているのかによっても、考えたい原因が変わってきます。
SONGBIRD 美髪バイブル
ヘアケアを増やす前に、今の習慣を見直してみませんか?
抜け毛の診断や治療は医療機関の役割ですが、毎日の洗い方や髪の扱い方は、自宅でも見直せます。
SONGBIRDでは、日々のヘアケアを考えるきっかけとして「美髪バイブル」をご案内しています。
無料で美髪バイブルを受け取る※抜け毛や脱毛症の診断・治療を目的としたものではありません。
受診を検討したい抜け毛の特徴
ここは特に大切なところです。
秋に抜け毛が増えたとしても、次のような変化があれば、季節的なものだと自己判断せずに皮膚科へ相談してみてください。
| 気になる変化 | 考えたい対応 |
|---|---|
| 円形・まだらに髪が抜ける | 早めに皮膚科へ相談 |
| 短期間で急激に抜け毛が増える | 体調や服薬歴も含めて相談 |
| 頭皮の赤み・痛み・強いかゆみ・ただれ | 放置せず皮膚科で確認 |
| 分け目や頭頂部が徐々に薄くなる | 男女とも脱毛症の評価を検討 |
| 抜け毛が長引く・増え続ける | 季節だけで説明せず原因を確認 |
髪は見た目にも関わるので、不安になりやすい部分ですよね。
だからこそ、気になる変化を我慢し続ける必要はありません。
美容師には髪型や日常のケアについて相談し、脱毛の原因や治療については医師に確認する。そうやって役割を分けることで、必要な対応を選びやすくなると思います。
秋の抜け毛についてよくある質問
Q. 秋は1日に何本くらい抜けても正常ですか?
一般的には1日50〜100本程度の抜け毛が目安とされていますが、個人差があり、洗髪の頻度や髪の長さによっても多く見えることがあります。
本数だけで正常・異常を決めず、以前との変化や髪の密度、頭皮の状態を合わせて確認してください。
Q. 秋の抜け毛は女性のほうが多いのですか?
季節変動を調べた女性の研究はありますが、それだけで女性のほうが男性より多く抜けるとは判断できません。
女性・男性ともに、季節的な変化と脱毛症の可能性を分けて考えることが必要です。
Q. 秋の抜け毛は冬になれば自然に治りますか?
季節的な変動であれば落ち着く可能性がありますが、冬になれば必ず元に戻るとはいえません。
抜け毛が増え続ける、薄い部分が目立ってきた、頭皮に異常があるといった場合は、季節を問わず受診を検討してください。
Q. 抜け毛が気になるときは毎日シャンプーしても大丈夫?
洗髪中に髪が抜けるからといって、シャンプー自体が原因とは限りません。
洗う頻度は皮脂量、汗のかき方、頭皮の状態などに合わせ、強くこすらず無理のない方法で洗うことを意識してみてください。
Q. 抜け毛対策用のシャンプーを使えば薄毛を防げますか?
シャンプーには頭皮や毛髪を清潔に保つ役割がありますが、一般的な頭皮ケア用シャンプーでAGAや女性型脱毛症を予防・治療できるとはいえません。
今の頭皮に合う製品を選ぶことと、脱毛症の診断・治療は分けて考えてください。
まとめ|秋の抜け毛は「季節」と「薄毛の兆候」を分けて考えよう
秋に抜け毛が増えることには、毛周期の季節変動が関係している可能性があります。
ただ、女性なら分け目や頭頂部、男性なら生え際や頭頂部の変化など、季節だけでは説明できないサインが隠れている場合もあります。
抜け毛が気になったとき、いきなり高価な商品を買う必要はありません。
まずは頭皮の状態、最近の体調、髪の密度の変化を確認して、必要なら医療機関に相談する。そのうえで、毎日の洗い方や使っているシャンプーを見直してみてください。
ボクが伝えたいのは、秋の抜け毛を必要以上に怖がらず、かといって「季節だから」と見過ごさないことです。
自分の髪に起きている変化を知ることが、納得できるケアを選ぶ第一歩になると思います。
毎日の頭皮ケアを見直したい方へ
医療的な治療が必要かどうかを確認したうえで、普段のシャンプーや頭皮ケアを見直したい方は、SONGBIRD online storeも参考にしてみてください。
SONGBIRD online storeを見る参考資料
- PubMed|毛周期の季節変動に関する研究
- PubMed|毛髪成長の季節変動に関する研究
- PubMed|毛髪・脱毛に関する研究資料
- American Academy of Dermatology|Do you have hair loss or hair shedding?
※この記事は一般的な情報提供を目的としています。脱毛症の診断や治療方針の決定は医療機関で行ってください。
この記事の監修者
イナツユウヤ|美容師・SONGBIRD代表
熊本市の美容室「SONGBIRD」代表。美容師歴20年以上。
「育てる。髪質・髪色・髪型」をテーマに、日々のサロンワークでの経験、お客様からの相談、美容師としての専門知識をもとに情報を発信しています。
オリジナルヘアケアブランド「PURUPO」の企画・開発、「美髪バイブル」の制作も行っています。